ワイヤーのエージングについて

これまでさまざまなゲージの銅ワイヤーのエージングを
トータルで1万本近く行って来ましたが、
ワイヤーのエージングは電気信号の流れを双方向とも行うと効果が上がることを確認しております。

使用目的は別としまして、
一般的にはスピーカーケーブルへの接続で行うエージングを推奨します。
音量を下げるとエージングに必要な時間は延びます。
パワーアンプの出力とヴォリュームにもよりますが、
そこそこの通常音量にて行うエージング時間の目安としまして、
細い線材1本の場合には、往復(1時間&1時間)程度で完了することがあります。

線材が太くなるほど時間がかかります。また、複合線はさらに時間を要します。
さらに、キュービックなどを使用している場合には、時間というよりは数日かかります。
いずれにしても双方向で行いますが、線材の質量が一度の片側の持続時間を決めることになります。
音調が色々と変化してきますので、様子をみながら接続を反対に切り替えます。

例えば、ノイズ感があるとします。
しばらく繋いでいるとノイズ感が減ってきます。
この時点で切り替えるのも有りです。

そのままにしておきますと、
今度は微妙に音が詰まって来て高域と低域が出なくなるように感じてきます。
ここでは必ず切り替えます。

ワイヤーによりエージングの進行が違うこともあります。
複合線では、理想的には1本ずつのエージングを済ませたワイヤーを組んだ方が良いのですが、なかなかそうも行きません。

そこでエージング無しのワイヤーをそのまま組みますが、
電子の走りが一定ではないために複雑なワイヤー構成のケーブルほど最初は混沌とした感じになります。
あるいは最初は良い音なのにしばらくすると様相が変わってしまったりしますが、
とにかく、ここで慌てないでください。
音が妙になった時に電気信号の流れる方向を逆にします。

最初から妙な場合でも諦めずに数時間は観察します。
ほとんどの場合、と言いますか、100%近く良い方向に向かいます。
それでも、反転をさせながら連続数日から(複雑なケーブルは)1週間程度かかる場合もあります。
細い単線のみでしたら、1往復でもよいですが、通常は2回以上の往復でクリアーになります。
甘い採点でよいのでしたら、線材によっては片側のみでもOKのこともないことはないです。
いずれにしても、音が詰まって来たり、ノイズを感じて来たりした場合には、
反対方向に信号が流れるようにして、しばらく待っているとクリアーになって来ます。

スピーカーケーブルは単純にケーブルを反対に接続するだけで双方向エージングを行えます。
ラインケーブルもRCAではそれが可能ですが、XLRはそうは行きませんのでやっかいです。

それでも、実はセットアップは面倒ですが、
ラインケーブルもSPケーブル接続でエージングを早く済ませております。

参考になりましたら、幸いです。